住宅ローン2026.02.0212分で読めます

住宅購入vs資産運用
お金の使い方を考える

「家を買うお金で投資した方がいい?」その疑問に数字で答えます

住宅購入vs資産運用

「3,000万円で家を買うより、そのお金を投資に回した方が賢いのでは?」——住宅購入を検討する中で、こんな疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、住宅購入と資産運用を「お金」の観点から比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理します。どちらが正解かは人それぞれですが、判断材料として参考にしてください。

この記事でわかること

  • 住宅購入と資産運用、35年後の資産額シミュレーション
  • それぞれのメリット・デメリット
  • 「両立」という選択肢の考え方

「家を買うより投資した方がいい」は本当か?

SNSやYouTubeでよく見かける「家を買うのは損」「賃貸で投資した方が賢い」という主張。確かに、株式投資の長期リターンは年平均5〜7%と言われており、住宅ローン金利(0.5〜1.5%)を上回ります。

しかし、この比較にはいくつかの落とし穴があります。実際に数字で検証してみましょう。

35年後の資産額シミュレーション

以下の条件で、「住宅購入」と「賃貸+投資」を比較してみます。

シミュレーション条件

共通条件
  • ・年収:500万円(手取り約400万円)
  • ・住居費に使える金額:月10万円
  • ・期間:35年間
物件条件
  • ・物件価格:3,000万円(中古マンション)
  • ・リノベーション費用:500万円
  • ・諸費用:250万円
  • ・合計:3,750万円

パターンA:住宅購入

借入条件

  • ・頭金:750万円
  • ・借入額:3,000万円
  • ・金利:0.7%(変動)
  • ・返済期間:35年
  • ・月々返済:約8万円

月々の支出

  • ・ローン返済:8万円
  • ・管理費・修繕積立金:2万円
  • ・固定資産税(月割):0.8万円
  • 合計:約10.8万円

35年後の資産

  • ・住宅資産:約1,500万円(築55年として評価)
  • ・総支払額:約4,540万円(ローン総額+諸経費)
  • 実質資産:約1,500万円

パターンB:賃貸+投資

賃貸条件

  • ・家賃:10万円/月
  • ・更新料:2年ごとに1ヶ月分
  • ・引越し:10年ごとに30万円

投資条件

  • ・初期投資:750万円(頭金相当)
  • ・追加投資:なし(家賃で手一杯)
  • ・運用利回り:年5%(複利)

35年後の資産

  • ・投資資産:約4,140万円(750万円×1.05^35)
  • ・総支払額:約4,380万円(家賃+更新料+引越し)
  • 実質資産:約4,140万円

単純比較の結果

数字だけを見ると、「賃貸+投資」の方が約2,640万円多いという結果になります。

しかし、この比較には重要な前提条件があります。次のセクションで、この比較の落とし穴を解説します。

この比較の「落とし穴」

先ほどのシミュレーションは、いくつかの非現実的な前提に基づいています。実際の生活では、以下の点を考慮する必要があります。

落とし穴1:投資は「必ず」年5%で増えるわけではない

株式投資の長期平均リターンは年5〜7%と言われますが、これは「平均」の話。実際には、リーマンショック(-50%)やコロナショック(-30%)のような暴落もあります。35年間、毎年安定して5%のリターンが得られる保証はありません。

また、暴落時に慌てて売却してしまう人も多く、理論通りのリターンを得られる人は限られています。

落とし穴2:家賃は35年間同じではない

賃貸の場合、家賃は上昇する可能性があります。特に都市部では、インフレや需要増により家賃が上がることも。また、高齢になると賃貸契約を断られるケースもあり、住み続けられる保証はありません。

落とし穴3:住宅ローン減税が考慮されていない

住宅購入では、住宅ローン減税により最大455万円(新築の場合)の税金が戻ってきます。中古+リノベーションでも最大210万円の控除が受けられます。この節税効果を考慮すると、差は縮まります。

落とし穴4:「住む場所」の価値が考慮されていない

持ち家には、「自分の城」としての安心感があります。自由にリノベーションでき、ペットも飼え、老後も住み続けられる。この「精神的な価値」は数字では測れません。

住宅購入のメリット・デメリット

メリット

  • 資産として残る:ローン完済後は住居費が大幅に減る
  • 住宅ローン減税:最大455万円の税金が戻る
  • 団信による保障:万が一の時、ローンがゼロに
  • 自由にカスタマイズ:リノベーションで理想の住まいに
  • 老後の安心:住む場所が確保されている

デメリット

  • 流動性が低い:売却に時間がかかる
  • 維持費がかかる:修繕費、固定資産税など
  • 住み替えが難しい:転勤や家族構成の変化に対応しにくい
  • 価格下落リスク:エリアによっては資産価値が下がる
  • 初期費用が大きい:頭金+諸費用で数百万円

資産運用のメリット・デメリット

メリット

  • 高いリターンの可能性:長期では年5〜7%も
  • 流動性が高い:必要な時にすぐ現金化できる
  • 分散投資が可能:リスクを分散できる
  • 少額から始められる:100円から投資可能
  • 住み替えの自由:ライフスタイルに合わせて移動可能

デメリット

  • 元本保証がない:暴落で資産が半減することも
  • 家賃は消えるお金:35年で4,000万円以上が消える
  • 老後の住居リスク:高齢者は賃貸を断られることも
  • 精神的な負担:暴落時のストレスは大きい
  • 継続の難しさ:35年間投資を続けられる人は少ない

「両立」という選択肢

実は、住宅購入と資産運用は「どちらか」ではなく「両立」できます。むしろ、バランスよく両方を行うのが最も賢い選択かもしれません。

両立のポイント

1

住宅は「身の丈に合った価格」で購入する

年収の5〜6倍を目安に。無理なローンを組まない。

2

余剰資金で積立投資を行う

月1〜3万円でも、35年続ければ大きな資産に。

3

iDeCoやNISAを活用する

税制優遇を最大限活用して効率的に資産形成。

両立した場合のシミュレーション

住宅購入

  • ・物件価格:2,500万円(身の丈に合った価格)
  • ・月々返済:約6.5万円
  • ・35年後の資産:約1,200万円

積立投資

  • ・月々積立:3万円(iDeCo+NISA)
  • ・運用利回り:年5%
  • ・35年後の資産:約3,400万円

35年後の総資産:約4,600万円

住宅という「安心」と、投資による「資産」の両方を手に入れられます。

結局、どちらを選ぶべき?

住宅購入と資産運用、どちらが正解かは人それぞれです。以下のチェックリストで、自分に合った選択を考えてみてください。

住宅購入がおすすめの人

  • 同じ場所に長く住む予定がある
  • 自分好みの住まいに住みたい
  • 老後の住居を確保しておきたい
  • 家族に資産を残したい
  • 投資の値動きに耐えられない

賃貸+投資がおすすめの人

  • 転勤や住み替えの可能性がある
  • 住まいにこだわりがない
  • 投資の知識があり、長期で続けられる
  • 暴落時も冷静でいられる自信がある
  • 身軽でいたい

まとめ

「家を買うより投資した方がいい」という主張は、一面的な比較に基づいています。投資のリターンは保証されておらず、家賃は上がる可能性があり、老後の住居リスクもあります。

大切なのは、自分のライフプランに合った選択をすること。そして可能であれば、住宅購入と資産運用を両立させることで、「安心」と「資産」の両方を手に入れることができます。

住宅購入を検討している方は、まずは無理のない予算を把握することから始めましょう。

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